Q & A

  1. Q:どのような症状や問題に対して、適切な治療法でしょうか?
  2. Q:治療期間はどのくらい必要でしょうか?
  3. Q:アセスメントで精神療法が適切でないと判断されたとき、どうするのですか?
  4. Q:面接のなかで、話すことが思い浮かばない時、黙っていることができるのでしょか?
  5. Q:精神分析では寝椅子を使って自由連想をすると言われますが、そうしたやり方をするのですか?
  6. Q:こころの探求が重要で、直面している現実的な問題―試験とか夫婦の危機などの問題に実際にどう対処するのか、は話されないのでしょうか?
  7. Q:治療者は助言を与えないのでしょうか。
  8. Q:途中で面接に意味を感じなくなったとき、中断することができるのでしょうか?
  9. Q:治療を終えることは、どのようにして決まるのですか。


1. どのような症状や問題に対して、適切な治療法でしょうか?
A: 不安や抑うつなどの症状、また対人関係や仕事などに問題や困難を抱えた方が対象になります。こうした訴えが慢性的になっているとき、その方のパーソナリティの問題と結びついていることが多いのですが、それを理解することで解決していく治療法です。自分自身を知ることにある程度は関心があることが必要ですが、その点も含めてアセスメントで、治療の適切さを評価するのです。
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2. 治療期間はどのくらい必要でしょうか?
A: 精神療法が必要であると判断されるとき、たとえば面接を12回とか6ヶ月間といった提案をします。もっと長期の面接が必要であると予測されるとき、わたしはまず1年間の面接を提案します。その期間が終わりに近づいてきたとき、お互いに話し合って、終結するのか、それとも継続していくのかを決めることにするのです。

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3. アセスメントで精神療法が適切でないと判断されたとき、どうするのですか?
A: たとえば精神病的な不安が強くて、こころの探求によって不安や混乱が強められる危険性があるような場合、初回の面接だけで終わって、薬物療法を主体とした精神科治療を勧めます。精神療法でも精神分析的でない他のアプローチ(認知行動療法や森田療法など)のほうが適切と判断されたときは、適切な機関に紹介します。また薬の併用が必要であるときも、そのことを話します。

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4. 面接のなかで、話すことが思い浮かばない時、黙っていることができるのでしょか?
A: 沈黙のない面接はありませんし、沈黙は大切にされるべきです。それは話すことへのためらいや抵抗である場合もあるし、ときには静かな安らぎを味わっているときもあるし、また何か新たなものが生まれてきて、言葉にならない場合もあるでしょう。沈黙の雰囲気を受けとめて、適当なときに治療者は感じ取ったものを言葉にして伝えます。

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5. 精神分析では寝椅子を使って自由連想をすると言われますが、そうしたやり方をするのですか?
A: 寝椅子は毎週4-5回分析をする精神分析のやり方で、こころを退行させる傾向があります。主に週1回の精神分析的精神療法を行っている私は、原則として椅子に座って話す対面法(互いの向きが斜め90度になる対面)が適切と考え、その場での思いつきや連想を大切にした面接を行っています。

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6. こころの探求が重要で、直面している現実的な問題―試験とか夫婦の危機などの問題に実際にどう対処するのか、は話されないのでしょうか?
A: 精神療法の面接は、現実の人生のなかで行われていて、それから逃れてなされるわけではありません。現実的関心事が話題になるとき、治療者は本人の困難を理解しようとし、実際的解決に面接が焦点づけられるのは当然です。
もっとも進行中の現実的な問題にも、こころのなかのテーマが関わっているであろうことを、治療者は複眼的に理解して、そのことを話し合うことが現実的な問題への対処に役立つと思われる場合には、話し合おうとします。それを考える余裕が本人にないと思われるときは現実的対処を優先します。

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7. 治療者は助言を与えないのでしょうか。
A: アドバイスを与えることもあります。もっともクライエントの方が現実状況のなかにいて、適切な態度や行動を考えられる立場にいると思われるので、アドバイスは一つの可能性として示されるべきだと思っています。治療者としての私の役割は、どうしていいか分からない不安を受けとめ、本人が自分なりに考えていることを見落とさず、大切に扱うことだと考えています。

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8. 途中で面接に意味を感じなくなったとき、中断することができるのでしょうか?
A: できます。そうしたとき、率直に話してもらって、クライエントの気持ちと考えに耳を傾けます。そうすると治療者の対応への不満や怒りがあることが分かり、それを話し合うことが転機になって、治療的に前進する場合もよくあることです。

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9. 治療を終えることは、どのようにして決まるのですか。
A: 話し合って決めます。こころの問題がある程度は解決されて、クライエントが治療者のサポートなしに、自分の力で人生の現実に立ち向かっていかれると思われるとき、終わりに向かって準備していきます。

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